『ギターヒストリー』
- ミズノリョウト
- 7月31日
- 読了時間: 2分
更新日:8月13日
ババーン!!!
これまでの全てがこの瞬間のための準備運動だったかのように空を真っ二つに分けるようなギターの音が鳴ってフロアが沸いた。
観客は自分でも想像もできないような声をあげていることに驚いていた。
そこに性別や人種、属、有機無機、命の定義はなかった。
実際にフロアは沸騰してグツグツ煮えたぎってドロドロになって全てが一つになっていた。
いや、これはマジの話でちゃんと何もかも全てが一つの塊になった。
その後すぐに塊はまた新しい異なるモノ同士の何かに分かれていった。
そして、同時にそのギターの音は結果として確かに空を真っ二つに分けた。
音が刺さったところから真っ青な空に大きな溝が出来ていた。
暗い大きな溝からこれまでにみた事のない形の楽器が落ちてきた。
それが楽器だろうと分かるのは落ちてきたそれにモノがぶつかった時にあまりに綺麗な音色が生まれたからだった。
その音色が最初に発生した時、喜怒哀楽の全て、加えてそれ以外の感謝や懺悔、一体感と孤独感、とにかくありとあらゆる感情を全ての物質、物質と言っても僕たちが認識できるもの以外の空間を埋める空気のようなものだったりも含めて、に与えた。
全てを異なるモノたちが感じ終えた時、その感覚を共有できているお互いに対してとても特別な幸せを感じた。
まるで全く違うまま完全に一つになったようだった。
ほんの少し経って、もう一度味わいたいと思ったモノがそれを叩いた。
そのあまりに綺麗な音が再び生まれたとき、何モノもがどこか違うような気がして特別な気持ちにはなれなかった。
しかし、それは全く同じ音だった。
残念だね。
そして、君はギターを作り始めた。
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